おせち料理は、いまや食べない家庭もあり、また購入するものという様相を呈している。
もともと日本のお正月は、年中行事の一大イベントであり、伝統文化がそこにはある。そのことには、何ら異論はないと思われる。ただ、それを継承していくという意識はなかなか一般的ではない気がして仕方ない。
なぜそんなことを思うのか?
田舎に生まれ育ち、地域の行事やその度の食や生活に根ざしてきた背景があるからだろうと思う。
おせちのみならず、七草粥やひな祭りのちらし寿司、端午の節句のちまき、秋祭りの鯖ずし等々。四季折々の行事とその食のもつ意味を伝承することも、ままならないのがさみしいことと感じてしまう。
おせち料理も食べない、作らないという現代世相にあって、いくら和食がユネスコ世界無形文化遺産に登録されたとはいえ、それは自分事でないのだろう。
新しい年神様をお迎えし、1年の予祝的側面があり、その為に紐づけられた行事にかかわる食や作法が様々存在する。
今年もおせちを食べながら、見通しの良い年になりますように…と唱えるように蓮根を食べる風景をどうやって伝えられるのか考えてしまった。
皆さんの地域の行事食、思い出してみていただくと面白いかもしれませんね。